【読書】十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。(遠藤周作)
面白かった。
誰にでもおすすめできる本ではない気はする。
現在と人の価値観や、その他の感覚的なもの、時代背景などが異なるので、その辺は、今の時代に合わせて脳内変換しながら、読み進める必要がある。
その点が上手くできないと、十頁で飽きてしまうこともあるように思えた。
しかし、本質的なものは今の時代においても、概ね理解できるし、今の時代だからこそ、と考えさせられる部分も多かった。
手紙を書くというのは、とてもいいコミュニケーション手段だと思う。
また、例えば、メールにしても、定型的な書き方や、当たり障りのない書き方のものが多い中、一文、二文でも人柄を感じとれるような文章のものは、心に残ったりする。
個人的には、メールの最後を、毎回、「よろしくお願いいたします。」のような形で締め括る人は、事務的にメールを送っているのだな、と感じるので、その点を工夫しているが、もっと自分らしさを追求することと、本書でもしきりに触れられている、相手の気持ちを汲むという点を、もう一度振り返ってみたいと感じさせられた一冊でした。
良書だと思います。是非。